ご自身のライフスタイルを考える際に、住まいというのは非常に重要なポイントになります。賃貸と持ち家と、どちらの方がお得なのだろうと気にされる方が多いです。そこで、今回は賃貸と持ち家とを比べて、どちらの方がお得なのか、メリット、デメリットなどを見ていきましょう。

賃貸物件に住み続けるメリット

まずは、賃貸物件に住み続けるメリットを見ていきましょう。

賃貸は気軽に住替えができる

賃貸住宅の場合、住む家を自由に変えられるというメリットがあります。
昔に比べると、ずっと同じ場所で暮らすというだけでなく、様々な環境で生活する為に、引越を繰り返すというライフスタイルも増えてきています。賃貸住宅は身軽なので、住む場所や家の大きさなど、その時々の予算や希望に合わせて選ぶことができるので、柔軟性の高さが魅力ですね。

地元のコミュニティと関係を持ちたくない時にも便利

賃貸住宅で、特にマンションなどであれば、地域との関わりが少なくなる傾向にあります。
持ち家で暮らしてしまうと、多かれ少なかれ地元のコミュニティと関わる機会が増えてしまいますが、賃貸住宅であればそこまで関係を持たなくてはならない場面は少ないでしょう。

収入が減ったときにも対応しやすい

急なトラブルなどで、毎月の収支が悪化する可能性もあると思います。
そのような場合に、長期の住宅ローンを組んでいると家計を圧してしまいます。それに比べて賃貸であれば、家賃を下げる為に引越しをすることは比較的スムーズにできます。

家族が増えた時も大きな家に住み替えられる

子供が増えて部屋数を増やしたい、両親の介護の為に一緒に暮らすことになった。
このように一緒に生活をする家族の増減にも柔軟に対応できるというメリットもあります。もちろん家を大きくしていくだけでなく、子供が自立した後、空き部屋が多いというのがちょっと淋しいと思ったら、コンパクトな家に引越しする事もできます。

 立地の良い場所にも物件が多い

賃貸住宅は、立地の良い場所に土地を持っている地主さんが建築している事が多いです。
つまり、駅チカなど、立地の良い場所に建築している訳ですから、住環境の良い場所に住むことができます。立地の良い場所の土地を買って、家も建ててとなると、なかなか難しいですが、賃貸住宅であればそういった部屋を見つける事ができます。そういった部分も、選択肢の多い賃貸住宅のメリットと言えるでしょう。

都心の不動産価格は上昇傾向で購入が困難

人口減少傾向にある日本でも、都心部は人口流入が増えている為、不動産価格はまだまだ上昇傾向にあります。
という事は、土地も建物も値段が比例して上昇傾向にあるという事です。郊外や地方であれば割安な不動産も多いですが、都心部での生活を考えるのであれば、賃貸の方が費用を抑えて住めるかもしれませんね。

賃貸物件のデメリット


続いては賃貸住宅のデメリットも見ていきましょう。

一生家賃を支払う必要がある

賃貸として家を借りている以上、住み続ける限り、家賃を支払う必要があります。
バリバリ働ける若い頃は大丈夫かもしれませんが、退職後、収入が大幅に減った後も、変わらず家賃を支払い続ける必要があります。老後の毎月の家賃というのは、かなり生活を圧迫する要因の1つになりますので、これは賃貸で住み続ける上でのデメリットと言えるでしょう。

財産を持てない

不動産を購入すれば、当然、ご自身の資産になります。ローンの支払いが完済した後は、自分の財産になりますが、賃貸ではそうもいかないため、将来に向けて財産を築いていきたいという方には賃貸は向かないかもしれません。

子供に住宅を相続させてあげられない

ご自身が生活するだけであれば、賃貸でも良いと思いますが、もし、子供世代の為に不動産資産や住宅を残してあげたいという場合は、賃貸では難しくなってしまいます。

退職後は部屋を借りるのも一苦労

若い頃は賃貸の審査に引っかかるという事も少ないですが、高齢者になると賃貸を借りること自体が難しくなってしまいます。
隣人トラブルや、孤独死の問題など騒がれる世の中、賃貸住宅のオーナーさんの中には、高齢者に部屋を貸すのをためらう方がいらっしゃるのも事実です。例え資産があったとしても、リスクが高く、収入もあまり多くないという事で借りることが難しくなるという事も考慮しておいた方が良いでしょう。

リフォームなどがしづらい

日々生活する住まいであったとしても、あくまでも賃貸は借り物です。その為、壁に穴を開けたり、リフォームしたりなど、住居を自由にカスタマイズする事は難しいです。もちろん、大家さんの承諾があれば可能ですが、奇抜なリフォームなどは断られる事も多く、自由度は低いと言えるでしょう。

持ち家のメリット


続いては持ち家のメリットをご紹介します。賃貸住宅と比較しながら見ていきましょう。

ローンを完済すれば自分の資産になる

賃貸物件と異なり、毎月のローン返済があったとしても、返済が完了すれば、ご自身の資産にする事ができます。経年変化により、購入時点よりも資産価値が下がったとしても、やはり資産として残るものにはなりますので大きなメリットになります。

自分の家なのでリフォームやリノベーションの自由度が高い

内装を自由にする事が出来るのも持ち家ならではのメリットになります。
状況に応じて増築するもよし、リフォームするもよし。より、希望にあった住まいにしていけるのは持ち家ならではですね。

子供に財産を残せる

子供、孫に資産を残せるというのも持ち家の特徴です。

自分たちが使わなくなっても賃貸にすれば家賃収入を得られる

将来、実家に帰るなどせっかくの持ち家を利用する機会がなくなったとしても、賃貸住宅として貸す事もできます。そうして得られる家賃収入は、毎月入ってくる利益になりますので、住宅ローンが残っていたとしても、支払いに充てることができます。

場所を選べば資産価値が落ちない不動産はまだまだ多い

人口減少が続いているといっても、都心部のように人口流入が進んでいるエリアもあります。そういったエリアでは、不動産の価値が上昇している。もしくは価値が横ばいの不動産もあります。そういった不動産を購入できれば、より大きな価値のある資産を残すことも可能です。

持ち家のデメリット

当然、持ち家にはデメリットもあります。大きな買い物になりますので、慎重に見ていきましょう。

住み替えが難しく、隣人トラブルなどに巻き込まれやすい

賃貸住宅であれば、何かトラブルがあった際には、引越してしまえば良いという考えもできますが、持ち家の場合はなかなかそうもいきません。ローンを組んでしまっている場合が多いですし、同様にトラブルの相手側もなかなか引っ越しができない状態かもしれません。そうなるとお互いにストレスが積もり、大きな隣人トラブルになってしまう可能性もあるでしょう。

地域のコミュニティに参加しなくては生活しづらい

賃貸住宅に比べると、持ち家は長く住んでいく事が多いですし、ご近所の方も長く住む前提の方が多いです。そうなると、やはりある程度は地域のコミュニティに参加しておかないと、生活しにくくなってしまう可能性があります。そういった部分もデメリットの1つですね。

ローンという負債を背負うことになる

初期費用が圧倒的に大きく掛かってしまうのも持ち家の特徴です。
賃貸であれば何十万から多くて百万程度ですが、持ち家の場合、基本的には何千万以上になる事が多いです。そうなると現金だけでは難しく、何かしらのローン、つまり借入をする必要があります。

不動産の資産価値が下がるリスクがある

せっかく高額なローンを組んで購入したものの、資産価値が下落してしまい、ローン返済後はほとんど価値がないという状況もありえます。不動産を購入する際は、将来のことも考え、慎重に検討する必要があるでしょう。

日本は土地あまり、家あまりの時代になっている

今後、日本は少子高齢化、人口減少に進んでいくと言われています。経済指標と異なり人口はある程度正確に予測することができるので、人口が減っていくと家や土地は余っていきます。
そうなると、エリアにもよりますが、必然的に全体の土地、家の価値は下がっていってしまいますので、その部分も考慮した上で、持ち家にするか検討する必要がありますね。

賃貸と持ち家を選ぶポイントは


ここまで、賃貸と持ち家のメリット、デメリットを見てきましたが、皆さんはどちらの方がお得だと思われたでしょうか?ここからは、実際に賃貸と持ち家をどのように選んだらよいかを見ていきましょう。

シンプルに、家に対して自分たちが求める観点から決めていく

実際に、万人に対して共通の答えがあるというよりは、ご自身が望むライフスタイル。つまり、家に対して何を求めるのかによって賃貸と持ち家とで、どちらを選ぶべきかが変わってきます。

・子供や両親と一緒に暮らせる戸建を買って、地元でゆったりと暮らしていきたい。

・バリバリ仕事をする為に、職場の近くで生活をして、転勤を伴うキャリアアップに挑戦していきたい。

・理想のパートナーを見つけてから、ゆっくりと住まいを検討したい。

ご自身が大切にしたいポイントを大切にして、そこから賃貸か持ち家かを検討していくのが良いでしょう。

家族構成や年令によって住み替えたいのであれば賃貸でも構わない

結婚、出産などのライフステージの変化に応じて、住まいを変えたいというのであれば、急いで持ち家を所有せず、賃貸で暮らしているというのも良いと思います。あくまでも、理想のライフスタイルを設定した上で、不動産購入を検討したいですね。

一生賃貸という人は、老後まで含めた資金計画を今から立てておく

一生賃貸という方も増えてきていますが、その場合は、今から資金計画をたてておく事が大切になります。老後の生活資金に毎月の賃料も計算した上で、資金計画をきちんと練っておきましょう。

持ち家を購入する時は返済を無理のない範囲にする

持ち家を購入する際は、何千万というローンを組むことになります。より良い家を持ちたいと思うのは当然なので、どうしても現在の収入で借りられる限界で住宅ローンを組んでしまう方が多いです。

借入可能な金額の上限というのは、金融機関から見た返済可能なギリギリの額という事になりますので、収入が上がっていけば良いのですが、ちょっと収入が減ったり、支出が増えてしまった際に、生活が苦しくなってしまう可能性が高いです。ある程度まとまった現金資産を保有しておくなど、少し余裕を持った返済計画をたてて住宅ローンを組む事が大切になりますね。

最後に

いかがだったでしょうか?今回は、賃貸と持ち家とで、どちらの方がメリットがあるのかを比較しながら見てきました。賃貸にせよ、持ち家にせよ、住まいという日々の暮らしの中で重要な要素になります。ぜひ、ご自身の希望のライフスタイルを考えた上で、より良い選択をしていってくださいね。